ニートを楽しむただの女

何もない持ってないし要らない人間のやること。心の解放と言葉の居場所を。

二日目の味噌汁。わたしがわたしへの餞の言葉

 

天気が良く気持ちのいい朝だ。

だけどもここ2.3日のわたしは少し沈み気味。

特に何があった訳でもない。

原因不明のもやもやほどもやもやすることはない。

この気持ちのいい陽気は春の訪れ。

公園へ散歩に出かけると桜の蕾が見えた。

 

「桜の蕾も大きく膨らみ、春はもうそこまで来ています。

今日私たちはこの〇〇小学校を卒業します。」

 

これはわたしの小学校卒業式の6年生の餞の言葉の最初のフレーズ。

この時期になるといつも思い出す。

と、言ってもそこまでの思い入れはない。

ただ、このフレーズが好きなだけなのかも。

 

春は出会いと別れの季節と言うがまさにそうだな、と思っている。

と、言っても春にそこまでの思い入れはない。

 

子供の頃は「卒業」を経験してきて、大人になった時に「上京」した。

誰もが通るであろう道を何事もなく通ってきたはず。

だから、春にそこまでの思い入れはない。

 

でも何故か桜を見たくなる。

 

桜と梅の違い。

梅は上を向いて咲く。桜は下を向いて咲く。

だからみんな桜を見上げるんだ。

だからみんな花見をするんだ。

 

昔そう教わったな。

上を向く人々。下を向く桜の花。

偶然だろうけど、すごく素敵な光景だと思う。そして、桜は日本で生まれた花だからまた尊く、美しさを増すのだろう。

 

何度も言う、春にそこまでの思い入れはない。

だけど、毎年桜が咲くのを楽しみにしている。

そして偶然なのか必然なのか。

上京してから引っ越しを何度かしたが、全て「桜の名所」と呼ばれている土地に住む自分がいる。

 

今年も花見こそは出来ないが、散歩でもしながら一年に一度きりのピンク色に包まれながら酒を少しだけ煽りましょうかね。

 

桜のことを話していたら早くもお酒を飲みたくなってきた。まだ朝が早いから少し我慢。

その前にお腹を満たしましょ。

 

昨日の残りの冷やご飯と味噌汁。

メニューは決まり。雑炊!

でも普通の雑炊じゃつまらない。冷蔵庫探索。

キムチがある。辛いものは今の気分にピッタリだ。キムチ雑炊に決定。

 

残り少ない味噌汁に少し水分を足す。

キムチを入れる。旨味が薄いので味噌、砂糖、顆粒出汁を追加。

冷やご飯を入れてぐつぐつ。卵を入れてネギを好きなだけ散らす。

美味しいキムチ雑炊の出来上がり。

というか、肉を加えてキムチクッパと呼んでもいいくらいだ。

 

二日目の味噌汁はわたしの上京したての貧乏生活を支えてくれた。味噌汁なのに二日目は別の調味料を加えて味変したりもした。

え?と思うかもしれないけど、これはこれで野菜の出汁がとろけて美味しいのだ。

二日目のカレーならぬ二日目の味噌汁はわたしにとってレシピ無限に値する。

料理は想像力。

仕事ではない限りレシピ通りにしてもしなくてもいい。

わたしは料理を仕事にしてレシピ通り作ってきたが、家庭料理は自由に創作している。

 

おっとと…

桜の話から味噌汁の話になってしまい、結局のところ頭の中はいつも忙しいわたしなのだ。

 

でも、コ○ナ禍で暗い話題ばかりだけど、今年も桜が咲く。

わたしのように二日目の味噌汁をどうしようかな、くらいの平凡な日々を、当たり前の日々こそを大切に生きよう、と思う。

それが大人になって「卒業」がなくなった、わたしがわたしへ、わたしのための餞の言葉だ。

 

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